日本人はなぜ投資を避けるのだろう ?

こんにちは !

昨日の新聞にGPIFの18年10~12月の年金運用損が14兆8000億円になったとの記事が出ていましたね。


私たちの年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が巨額運用資金を株式などのリスク資産に投資している金額はGPIFの資産増額151兆3607億円の48%(国内株式+外国株式)ですから72兆6531億円に上ります。


対して、株式の損失は14兆5136億円とほとんどが株式による損失でした。
9.6%ほどの損失ですから日経平均の2018年の下落率 -12.1%、米国のS&P500指数の下落率 -6.2%と重ねればやむ無しと思います。


そのことに対しては仕方がないと思うのですが、ただ新聞やマスコミが大きく取り上げ、国会でも野党がそのことを煽ることで国民の投資に対する理解をますます遠ざけて、投資意欲を無くさせてしまうことのほうをより心配します。


確かに、汗水たらしてコツコツ働いて稼いだ我々の貴重な年金をリスク資産で運用しているのですからもっと分かりやすい説明をしてみんなが理解できるようにしなければいけないし、マスコミや新聞などの報道媒体もそういうことにもっと積極的に取り組まねば国民の無理解や無関心が蔓延して、生きる活力や投資に対する意欲もそがれてしまいます。


それに政府や政治家やGPIFももっと理解を深める努力をしてほしいと思います。


2017年度の個人の株式保有金額は、113兆円(東証調査)になったといいます。
外国株を加えたらもう少し増えると思いますが、その金額を超える巨額な資金を運用するGPIFのことに対して国民も政府も無関心すぎませんかねぇ。


つまり、もっと私たちはGPIFの資産運用に関心を持たなければいけないのでないでしょうか。


まず、私たちのような個人投資家は国内にいったい何人くらいいるのかと思って調べてみました。


今回は、米国株投資の話題からはそれますが、ご容赦ください。


去年の8月時点の東証の調査レポートによると、5219万人(2017年調査)と出ていましたが、本当にそんなにいるかというと集計の方法が「各上場会社の株主数を単純に合算した延べ人数」であるため、実態よりも過大な数字になっているようです。


実際には20%程度。
つまり、ほぼ5人に一人といわれています。
中身の比率については、預貯金以外の金融資産を有している方は、株式で13%、次に投資信託9%となるそうです。


各証券会社の口座数は以下のようです

全部で2335万人で複数の証券会社に口座を持っている人を差し引けば、個人投資家が多いといわれているネット証券最大手のSBI証券が426万ということですから、約1000万人程度となり、20%位が正解だと思います。


やはり日本では、資産運用の話はネットの中ではできますが、外ではしにくいですよね。
2011年から2017年の金融資産の中の株式や投資信託などの保有状況推移です。


つづいて、個人の株式保有比率について(データは2017年)

日本では海外に比べて圧倒的に株式の比率が低くなっています。
まず、現金・預金についてですが、


 日本:52.3 %
 アメリカ:13.9 %
 ユーロエリア:34.6 %


と家計における現金・預金の比率は、圧倒的に日本が高くなっていることが分かります。


一方、債務証券、投資信託、株式等といった「運用資産」の資産における割合は


 日本:15.1 %
 アメリカ:51.2 %
 ユーロエリア:29.7 %


となっており、日本が圧倒的に低くなっていることが分かります。
この事実をもっと重く受け止める必要があります。


<何故だろう>
やはり、農耕民族という民族性と日本固有の封建制度を含めた階級社会からきているでしょうか。
それに、汗水たらして働くことが美徳であり、労せずして得たお金はあぶく銭といって忌み嫌う考え方が長く根付いていたことも確かだとは思います。


元来日本では周囲と協調して生きることや、主君や目上の人や会社に尽くすことが良しとされてきた日本固有の文化も影響していると考えられる。
言われた通りや、みんなと同じようにやっていれば上手くいくし、それが良しとされてきました。


このような「自己犠牲の精神」は自分で思考・判断すること、意思決定の責任をとること放棄しているという側面も持っています。


俗にいう「赤信号、みんなで渡れば怖くない」です。


そのため、「資産運用」という”自分で考え取り組んでいかなければいけないもの”に対して、多くの日本人は積極的に取り組みにくい資質を持ってしまっていると思います。


バブル前までの日本では投資なんてする必要がなく貯蓄だけしていれば十分だったし、またその頃は終身雇用が当たり前で一生懸命勉強していい大学に入り、大企業に入れば人生は安泰。
雇用は約束されているし、給料も右肩上がり。
定年を迎えればしっかりと退職金も出るし、年金までもが支給される。
そういった中では敢えて投資をする必要はなかったのです。


それでも、一部の裕福な人たちは不動産投資や株式投資に走りましたが、バブルがはじけ、長期にわたる不景気で株式投資の妙味を失ってしまったことも原因の一つになっています。


しかし、状況は大きく変わり、今後は年金支給額の減額、各保険料の値上げ、将来のインフレ懸念や生活保護世帯の増加に加え、世界に先駆けた長寿化と将来の「老後破産」がますます増大する懸念が広がりつつあります。


私も、シニアで90歳台の両親を抱えての将来に不安を抱えながら、日々を過ごしています。


ちょっと弱音が出ましたが、私と同じような境遇の人は数多くいるし、やがて誰もが直面する問題でもあります。


資産運用をしたり、ブログを投稿することで少しでも「生きがい」を求め、活力を高めることで認知症も回避できるようにしたいですがもし兆候を感じたら、投資は止めて資産を現金化しなくてはなりません。


少しでも長く投資を続け、ブログの投稿も続けたいと思いますが、今は親次第です。


それでは、この辺で失礼します。

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