AIによる「プログラム取引」に関するニュース


こんにちは!
今年の取引も今夜が最後になりましたが、上昇して新年を迎えたいですね。


今年は、株価変動が世界的に激しくなった年でした。
このボラテリティに関して、コンピューターによる自動売買システムの影響が大きくかかわってきています。
そこで、今日はこの「プログラム取引」についてお話ししたいと思います。


日米の株価は今週、歴史的な荒い動きとなり、12月の変動率はリーマン・ショック直前の2008年8月を超えて9月の数値に近づいてきています。

今年は2月と10月の株価変動に顕著に現れた。

米ダウ工業株30種平均は24日に653ドル安と大幅に下落し、クリスマス休み明けの26日には1086ドル高と過去最大の上昇幅を記録しました。
これには、特定のキーワードに反応したり、市場のトレンドに追随したりする「プログラム取引」の存在感が高くなってきたことで株価の動きが増幅されやすくなるという「構造変化」が起きている可能性が指摘されています。

    

上の図にあるように、12月に入ってからの日々の変動率を平均すると、日経平均が1.7%、ダウ平均が1.6%となり、リーマン・ショック直前の08年8月(日米ともに1.1%)を上回っています。
日経平均の変動率は米リーマン・ブラザーズが破綻した9月(1.9%)に迫るほどです。


当時はリーマン破綻前から、「サブプライム」と呼ばれる質の低い住宅ローンの焦げ付きが多発し、最終的には金融システムが崩壊の瀬戸際まで追い込まれました。


現在はそうしたひどい状況ではないのに、株価変動が当時並みになってしまうのは、一定の条件に沿って自動で売買をする「プログラム取引」の増加が影響しているとの指摘が多く、機械であるがゆえに「さすがに下げすぎ」といった感情的な判断が入らないので、極端な値動きになっても売りや買いを出し続けて変動幅を広げてしまうことがあるためです。


最近は、一つの「キーワード」を読み取って売買する「テキストマイニング」と呼ばれるタイプが多くなっているとのことで、キーワードは事前に運用者が設定しておく場合もありますが、人工知能(AI)のプログラムが自ら文脈を判断して読み取るというものも増えてきています。


26日の米国株の急上昇は、アマゾン・ドット・コムやマスターカードが発表した年末商戦の好調さを伝えるプレスリリースにテキストマイニング型のファンドが反応したためとの見方があります。


19日の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見中に売りが急速に膨らんだのも、「利上げ」「保有資産の縮小」といった発言にプログラム取引が反応した影響があったといわれています。


株価変動率が高まると自動的に持ち高を減らす「リスク・パリティ」と呼ぶファンドも株価への影響力が大きい。今年の2~3月の下落時にはこの種のファンドが世界的な株安を助長した。「CTA(商品投資顧問)」というファンドはその時々の相場の方向性に追随する取引が中心で、その動きはAIが常に読み込みながら値動きをコントロールしているといいます。


このように「理屈では説明できないような暴力的な値動き」がここ数日の株価に対して現れているとの声も市場関係者からはあがっていて、景気や企業業績と株価の乖離(かいり)が強まれば、一般の投資家の売買を妨げる要因となる恐れも出てきます。

株安を増幅させたAIによる売りの3つのポイント

(1)ボラティリティー指数
これからの株式相場の変動率を投資家の行動から予想する指数です。日本では「日経平均VI」、米国では「VIX(ヴィックス)指数」が代表的です。株式相場が大きく動くと予想する投資家が増えれば指数が上がる仕組みになっています。
今年の2月8日にVIX指数が2月5日の暴落(ダウ -1175.21 、ナスダック -273.42 、 S&P500 -113.19)を引き起こした要因だったという記事がありましたので掲載します。

「VIXショック」米相場揺らす 変動指数の暴騰、株売りを誘発
個人にも損失

米国株式相場の大幅な下落を引き起こしたのは予想変動率を示す「VIX指数」だった。市場のリスクを測るための指数が投資商品と化して投資マネーを集めた結果、本来の役割から逸脱。リスク計測に活用していたファンドの想定外の株売りを誘発した。世界の株式市場を揺るがした「VIXショック」につながり、関連商品を保有していた個人投資家にもその損失が広がった。


VIX指数とは米国株が将来、どれほど激しく変動するかを測る指数だ。投資家が株価の先行きに楽観的な時は低下し、警戒心が高まると上昇する傾向にあるため「恐怖指数」とも呼ばれる。


日欧米の中央銀行の量的緩和政策により株式相場は波乱が減り、世界的に市場は「なぎ状態」が続いた。このため、VIX指数が下がれば収益があがる「VIXの空売り」が人気化。VIX指数を空売りする、コンピューターを駆使したアルゴリズム取引が流行した。


VIX指数が上昇を始めた5日、同指数の下落にかけて空売りをしていたマネーは損失覚悟で買い戻しを迫られた。様々な金融商品を通じて広がっていたマネーが逆流し、18台で推移していたVIX指数が一気に40近くまで急騰した。


これが5日にダウ工業株30種平均を一時1600ドル近く下落させた引き金となった。VIXなど相場の予測変動率を、リスク測定のシグナルとして使う投資戦略が広がっていたためだ。


これに拍車をかけたのが、アルゴリズムで価格やリスク度を測定管理する「リスクパリティ(均衡)ファンド」の普及だ。金融業界では金融危機時に株や債券、商品などすべての資産価値が一斉に下落した反省から、リスク分散を強めるため、同ファンドが利用されるようになった。バークレイズによると、予測変動率をリスク測定に使って運用される資金は5000億ドル(約55兆円)もの規模に達する。


この資金群にVIX指数の上昇が「売りシグナル」を送り、株式相場の暴落につながった。ただ、いまだに株価の値動きが激しいことが示すように「リスクパリティファンド」などがリスクを低下させるための売り圧力は、まだ終わっていないとの指摘は多い。


バークレイズでデリバティブ(金融派生商品)投資戦略責任者を務めるマネーシュ・デスパンデ氏は6日時点で「今後、数日間かけて2250億ドル(約25兆円)規模の株式を売る必要がある」との見方を示した。


影響は個人投資家にも及ぶ。なぎ状態の市場環境が続いていたため、VIX指数に個人が投資できる金融商品も続々と登場。調査会社モーニングスターによると、VIX指数が下がると価値が上がる上場投資商品の運用総額は34億ドル(3700億円)を超えていた。日本でも同様の商品が販売されている。


だが、VIX急騰で運用が難しくなったとして、野村ホールディングスの欧州グループ会社や金融大手クレディ・スイスは、購入者が損失を抱えたまま、関連商品を償還することを決めた。


「あの急落の10分間は思い出したくない」「強制的に償還されるなんて知らなかった」――。8日も米ネット上には、大きな損失を抱えた個人投資家の書き込みがあふれていた。【ニューヨーク=山下晃】


        — 2018/2/8 日経新聞より引用 —

(2)リスク・パリティ戦略
保有する株や債券の変動率をそろえようとする投資方法です。VIX指数など世界で株の変動率が急激に上がった結果、株の保有比率を下げようと機械的な売りが出ています。最先端の投資家はコンピューターのプログラムを使い自動的に売買しています。


▼リスク均等に分散投資 株急変で自動売り誘発
詳しい記事内容はこちら  
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26712800Y8A200C1EN2000/


(3)CTA(商品投資顧問)
株式相場の流れ(トレンド)に沿って売買する投資家です。商品だけでなく株などにも投資します。プログラムが上昇局面にあると判断すれば買い、逆なら売ります。CTAの動きが相場の変動率を増幅するとも言われます。
相場の下落局面では、CTAの売りは複数の段階をたどる。最初はリスク許容量が減った分だけ、「安全運転」で持ち高を減らす。次に上昇トレンドが終わったと判断し、買い持ち高そのものをゼロに近づけていく。そして下落トレンドに転換したと判断すれば、持ち高を売りに傾けていきます。

                   

「CTAは中期のトレンドを追うものが多く、下げが始まってから本格的な売りに転じるまで、1~2カ月かかることもある」といいます。


以上、長くなりましたが「プログラム取引の自動売買」に関してでした。


ちょっと難しい話で、年寄りの頭では理解しきれませんが、ただいかに「AI」が進歩しても「人の感情や考え方」がマーケットを動かす原点にあるのだと思います。
機械はその動きを読み、予測して最も効率的に高い確率を導き出すことができる。


そういう意味でも、基本的には人の心が市場を動かすことには変わりないような気がします。


いづれはAIの進歩で、個人の投資家は市場からは消えてしまうんじゃないか。という意見も多数ありますが、私は違うと思っています。


個人個人の考え方ですから、何が正しいと思うかはそれぞれの考えでいいと思います。
私は「馬耳東風(ひとりよがりのわからずや)」ですから・・・・・・お許しください(笑)


では、いい投資を

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