テスラが抱える課題とマスク氏の問題について

おはようございます !


3月初日のマーケットは4日ぶりの反発で引けました。
米中が貿易交渉で近く合意するとの期待感が広がり、投資家心理が上向いたのが株価上昇の要因でした。

3月1日の市況と資産状況です。

3指数はともに上昇しました。


個別の銘柄の動きとして
今回上昇した銘柄は、久しぶりにアマゾンが+31.90ドル(+1.95%)、アルファベットが+21.07ドル(+1.88%)と市場を牽引しましたが、テスラが▲25.09ドル(-7.84%)と大きく下落しました。


テスラの下落は同社の イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が2019年1-3月(第1四半期)の黒字は実現できない公算が大きいことを明らかにしたことが理由でした。


マーケットについては
特に節目となるダウ平均の26000ドル越えと、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数の2800ポイント越えは、PER17倍 の2882ポイントをいよいよ試す展開になるのかもしれませんが、やはり高値警戒感はぬぐえません。


S&P500種株価指数のチャートです。

昨年12月26日の2346ポイントから19.5%上昇して、最高値まで▲4%まで迫っています。


調整は時間の問題だと思うのですが、今回の記事にあるようにヘッジファンドの資金流入や空売りの買戻しなどが下支えになっているような気がしてなりません。


2月26日にもそんな懸念を記事にしました。


アノマリーから見た今後のマーケットのゆくえ(2/26投稿記事)


米テスラの今後の経営戦略といくつかの問題点について
米テスラが電気自動車(EV)の本格普及に向け新たな手を繰り出した

2月28日に主力車「モデル3」の廉価版を米国で発売したのに合わせ、今後はオンライン販売への全面移行を表明。


「スマートフォンから1分でテスラを買うことができる」と強調しました。


さらに、米国内にある約130の販売店は原則直営で運営しており、中国や欧州、日本など約30の国と地域にも販売拠点を構えています。


テスラはこれらの全ての地域について段階的に店舗でのセールス活動をやめ、オンラインでの販売に切り替える方針です。


オンライン販売への移行と他のコスト削減策を組み合わせることで、テスラ車の平均価格を約6%下げることができると見込んでいます。


19年1~3月期の黒字は実現できない公算が大きいことが明らかに
理由として19年から米政府によるエコカー普及促進のための減税措置が縮小されたのに伴い、米国で全3車種を一律2000ドル(約21万円)値下げしたことに加え、中国や欧州でのモデル3の販売が市場の期待ほどには伸びず、値下げによって収益が悪化するとの懸念も広がり始めていることが挙げられます。


テスラ社への税額控除については米国市場での累計販売台数が20万台に達したことで、控除額が従来の半額になるため、販売減少を避けるための値下げになり


イーロン・マスクCEOが抱えるSEC(米証券取引委員会)との確執

      
SEC(米証券取引委員会)は、裁判所に米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOを法廷侮辱罪で提訴し、身柄拘束を請求しました。


マスク氏は、以前にも株式非公開化に関して、自社株買いを成功させるために必要となる250億-500億ドルの資金調達が確実でなかったことから、相場操縦や風説の流布にあたるということでECが証券詐欺罪容疑で提訴を受けており、更に今回、「会社の承認を受けていない情報をツイートしており、過去の裁判の和解合意を順守していない」という理由での提訴になっています。


3月に償還期限を迎えるテスラの転換社債の現金償還の問題
また、テスラがSECに提出した年次報告書で、3月1日に償還期日を迎える9億2000万ドルの転換社債について、手持ち現金(37億ドル)で償還資金を手当てする方針を明らかにしました。


転換社債の普通株への転換価格は359.87ドルとなっており、同社の直近株価は294.79ドル(3/1株価)と300ドルを割り込んでおり、株式転換はないとみられます。


 米モーニングスターのアナリスト、デービッド・ウィストン氏は、転換社債の現金償還後でもテスラの現金残高が危険な水準に達するわけではないが、今後4年間に期日を迎える社債の返済のため、新しい電気自動車の導入などで新たな現金収入源を作り出す必要がある」と指摘しました。


今回の主力車「モデル3」の廉価版の米国発売やオンライン販売への全面移行を表明は早急な現金収入の確保手段に迫られている面もあるかもしれません。


テスラの新たな戦略が自動車販売の商慣行に風穴を開けられるかどうかはまだ不透明でテスラに対する投資には慎重にならざるを得ません。


◆ ヘッジファンドがS&P500種連動ETFを増やした訳・・・
現在、世界で運用されているヘッジファンド運用額は日本円で約350兆円といわれています。


今回、何故ヘッジファンドの話題を取り上げたかというと、2019年に入ってヘッジファンドの動きが均質化し始めているといわれているからです。


本来は、投資信託とヘッジファンドは、どちらもプロにお金を預けて運用を委託する資産運用方法ですが、両者は、運用成果の目標設定や運用方法に大きな違いがあります。


株式投資信託の運用は「相対収益」でその運用の成果目標としては、「ベンチマークを上回ること」が掲げられます。


それに対し、ヘッジファンドの運用は「絶対収益」で、市場全体(株価指数)が上がっても下がっても、プラスの収益を目指すものです。


2018年はヘッジファンドにとっては苦難の年となりましたが、それによってヘッジファンドの運用方法に変化が出始めてきました。


昨年10~12月に世界的に急落した相場も2019年に入り戻り歩調を強め、昨年、運用成績に苦しんだヘッジファンドも徐々に改善の兆しを見せてきています。


昨秋に米ハイテク株の急落で傷を負ったヘッジファンドは、昨年の反省から果敢にリスクを取る戦略から市場平均に負けない戦略に切り替えてきており、その代表的なものがS&P500種株価指数に連動する上場投資信託(ETF)であります。


2019年になって米調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)が算出する「グローバル・ヘッジファンド指数」は2月27日時点で1222.92と18年11月以来、3カ月半ぶりの水準を回復してきました。


1月は月間で2%高と4カ月ぶりのプラスとなり、上昇率は1年ぶりの大きさです。


2月も0.6%高となり、米国の利上げ停止などを背景に株式や債券、商品といったリスク資産が値上がりしてファンドの収益悪化にも歯止めがかかってきましたが、中身は大きく変化してきました。


S&P500種株価指数に連動したETFは世界的に相場が急落した昨年10月末では全体の144番目にすぎなかったのが、4カ月間で30倍の約4兆5000億円になりました。

         

個別銘柄では、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックが高い保有比率を見せていますが、それでもS&P500種連動のETFの保有額には及びません。


ただ、このように同じ投資先に「群れる」動きが広がると、相場が再び下落に転じた際に下げを加速する恐れがあり、大暴落を誘発する危険性が高くなってきます。



私は、自分でも投資をおこなう上で有益と思われる情報をブログに載せるように心がけています。


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