アマゾンの躍進とアップルの凋落

こんにちは!

       

9日の米株式相場は4日続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比91ドル67セント(0.4%)高の2万3879ドル12セントで終えました。


  
米中の貿易交渉が進展するとの期待が相場を支え、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がないとの見方も買い安心感につながった。
米中が9日まで開いた次官級の貿易協議で、中国による米農産物の輸入拡大や中国の市場開放などで交渉が進んだと報じられた。米中は月内にも閣僚級の協議を開くとみられており、米中貿易摩擦が和らぐとの期待感が相場を支えた。

投資家心理を測る指標である米国株の変動性指数(VIX)はおよそ1カ月ぶりに不安心理が高まった状態とされる20を割り込み、ダウ平均はこの4日間で1200ドル近く上昇した。


市場では「米中の貿易交渉進展とハト派なFRBという2つの支援要因があれば、一段の上昇余地がある」との声も上がっており、決算の結果次第では再び市場では大きく上昇が
みられるのではとの見方が出ている。

アマゾンが時価総額で世界一に

1月3日の記事でマイクロソフトが時価総額で世界一と書きましたが、今度はアマゾンがマイクロソフトを抜いて世界一の企業になりました。

                    

7日の米株式市場でアマゾン・ドット・コムの時価総額が7970億ドル弱(86兆6000億円)となり、マイクロソフトを抜いて終値で初めて首位に立った。
アマゾンは、ネット通販に加え、クラウドや広告など、高い伸びが続く複数の収益源を併せ持つ優位性により、市場の成長期待の買いを集めてついに世界一に上り詰めた。


8日のアマゾン株は年初来で10.3%高の1656.58ドルで取引を終えた。アップルは-4.5%安の150.75ドルにとどまった。アマゾンは1997年の上場以来、22年で時価総額世界一になった。


アマゾンは昨年9月に2050.50ドルの上場来高値を付け、アップルに次いで米企業で2社目の時価総額1兆ドルに達したが、10月以降はハイテク株売りに押され、昨年12月下旬には1307.00ドルと高値から36%下落したが、その後徐々に戻し始めて1月8日には半分戻しの1656ドルまで回復した。


7日付リポートでアマゾン株を「買い」で投資判断を始めた米調査会社、ピボタル・リサーチのブライアン・ウィーザー氏は「アマゾンは消費者からIT(情報技術)企業までを対象に、ほぼ制約のない成長機会が見込める」と高く評価した。


アップル「iPhone」10%減産へ

アップルについては、スマートフォン(スマホ)「iPhone」の新型3機種の生産台数を1~3月に当初計画から10%程度減らすとの発表があり、その余波は各電子部品メーカーなど取引先企業に広がり、米マイクロン・テクノロジーなどアップルとの取引による業績への影響が大きいとされる世界の10社の時価総額は、昨年10月から12月の期間で6900億ドルから5400億ドルと約2割減ったといわれている。

販売不振の原因の一つには最高約19万円の新型iPhoneの高級路線が消費者に敬遠されていることもあるが、その他にも対中関税の影響を含めた中国での販売不振が大きな影響を及ぼしている。


「アップルの不振は、米国や中国経済の先行きへの警告とみるべきだ」(米バンクオブアメリカ・メリルリンチのエコノミスト、イーサン・ハリス氏)との指摘もあり、日本企業にも大きな痛手を及ぼすことになります。


アップルスマホのシェアは上の表にあるように2位から3位に後退しました。


アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は8日、米経済番組で販売不振について「一時的なものだと信じている」と発言したが、米調査会社の中国でのブランド力調査では17年に5位だったアップルの世界におけるブランド評価順位がが18年は11位に後退している。


ただ、9日のニューヨーク市場で、アップルの株価上昇は意外感を持って受け止められたようである。売り込まれた反発と長期的な収益期待などに着目した買いが入って結局+1.70%の153.31ドルまで上昇した。


トランプ氏、異例の国民演説

トランプ氏は8日、メキシコ国境の壁にこだわる異例の国民演説を行ったが、むしろ直後の民主党の反論を印象づけただけでかえって逆効果にしかならなかった。「トランプ氏は米国民を人質にとって、自ら危機をあおっている」。各テレビ局はトランプ氏の演説の直後、そのまま民主党のペロシ下院議長らの反論を放送した。


本来は、大統領が執務室からテレビで直接語りかける国民演説は「重大なメッセージ」と受け止められるほど重みのあるものなのに、トランプ氏にはその認識が全くないようである。かえって政府機関閉鎖は議会民主党よりトランプ氏の責任が大きいという有権者が多くなっており、このままの状態が続けば低所得者向けの「フードスタンプ(食糧配給券)」は2月末にも資金が枯渇し、受給者を絞り込む必要があるとされる。80万人超の政府職員は無給状態で、既に家賃の支払いなどに支障がある。など更なる混乱を呼び起こすことになる。


最近のトランプ氏は直言するスタッフを解任するなど、ますます孤立化しており、焦りを強めるトランプ氏は言動が一段とエスカレートし場当たり的となってきている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の解任を検討して株安に拍車をかけたり、シリアからの米軍撤退で、ボルトン氏が火消しに追われたり身内の共和党の反発をかえって強めたりする結果を招いている。


今年の米国政治はますます混迷を深め、市場経済に影を落とすのは必至です。


英国のEU離脱合意案のゆくえ

メイ首相がEUと取り決めた離脱合意案は来週15日に議会採決が行われ、最大の試練に直面する。このままいけば否決されて首相の敗北が濃厚な情勢だが、その場合は通商合意がないまま、無秩序な形で3月下旬に英国がEUを離脱することになりかねず、「未踏の領域」に踏み込むことになると首相は警告している。


英下院は8日、欧州連合(EU)と合意が成立しないまま英国がEUを離脱する場合、英政府の税法上の権限を制限する財政法案の修正を賛成303、反対296で可決した。「合意なき離脱」に反対する議員らが中心となってメイ英首相を議会で敗北に追い込む状況が今後も続くと予想される。


今朝のモーサテから

今朝の「モーサテ」で調査会社ユーラシアグループのイアン・ブレマー氏の「2019年 世界の10大リスク」についての放送から

6位の「イノベーションの冬」について、米ハイテク企業は1つのグローバル市場と1つの世界標準という経営環境を望んでいる。
2020年には5Gが本格的に普及するが、米国、欧州、中国とそれぞれの規格ができるだろう。規格の違いによって市場規模と投資額が制限され、米ハイテク企業は苦戦するだろう。


5位の「米国の内政」については、ブレマー氏は「私の人生で初めて今年米国の内政が世界のリスクだと認めざるを得ない」と言っている。
将来、トランプ氏が米国政治に深い傷を負わせるかもしれない。


最後に1位にの「悪い種については、ブレマー氏のかつてない危機感が込められている。それは、将来とても不幸な結果をもたらすような状況が作られているから・・・・・
米露、米中、欧米、欧州内、中東内など、すべての主要な国々の関係は崩れ、主要各国の関係はどんどん悪化している。
2019年に戦争は起きないだろうが、将来的には重大な結末をもたらす、(9.11や金融危機など)次の危機が起きた時、我々は深刻な問題に直面する。


ブレマー氏は、いま世界の主要な地政学的な動きのうち、実に90%以上が間違った方向に進んでいるといい、最後に、これだけ"悪い種"を植え付けたら、いくつかの種は目を出し成長する。その時に大問題となる。


ブレマー氏は、いま世界が向かっている先を見て「大丈夫」だと思ってはいけない中国がアメリカに対抗するため構築している新たな枠組みが「うまくいくよ」とは言えない。

ロシアが外国にサイバー攻撃を仕掛けるのを見て「大丈夫だよ」とは言えない


と最後を締めくくった。


非常に怖い話でありますが、2016年にトランプ氏が米国という超大国のリーダーになったことで世界のパワーバランスが崩れたことが引き金になっていると思います。


今、世界で起きていることを私たちもこの世界の一人として大いなる関心をもっていなくてはいけません。


怖い話を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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