米中合意より重要なもの・・・・「重要なのは経済だよ、愚か者め」

おはようございます !!
昨日のニューヨーク市場は大幅反落となりましたが、ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は比較的下げ幅は小さかったです。


市況と資産動向です

ダウ工業株30種平均は▲206.67ドルの25819.65ドル、ナスダック総合指数は▲17.78の7577.57ポイント、S&P500種指数は▲10.88の2792.81ポイントと3指数そろって下落しました。
保有資産については、マクドナルドの下げが大きかったです。
マクドナルドだけで下げ幅の65%を占めました。


昨日の株価下落の理由は
上の表にもあるように年初来の株価の上昇率は+11%と高値警戒感が出ているところに、
米中が今月下旬にも貿易交渉で合意する見通しと伝わり、朝方は買いが先行しましたが、
その後は利益確定の動きで売りに押され、下落幅は400ドルを超える場面もありました。



米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、米中が関税引き下げを議論しており、中国は農産品など2018年に米国に課した報復関税を取り下げると提案、米国は対中制裁関税の一部か全部の撤回を検討しているようで3月下旬に首脳会談で合意する見通しということでした。


しかし、米中合意は相場にある程度織り込み済みで、報道をきっかけに利益確定の売りが出たことで買いの勢いは続きませんでした。


もう一つの重要課題である知的財産侵害や巨額の補助金など中国の構造問題は依然として交渉中のようです。


米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は前週の米議会の公聴会で、知財問題で合意に至らなければ「追加の報復関税を課す」と明言しております。


何故ならば「関税引き下げは相場に織り込み済みで、知財問題で合意がなければ中国に譲歩したも同然」と受けとられかねないからです。


昨日動きのあった銘柄
上昇銘柄
◆ アマゾン 1696.17ドル(+1.46%)  
新たな食品スーパーを米国で展開する方針を好感、証券会社が目標株価を引き上げ
◆ フェイスブック 167.37ドル(+3.14%)
米国内でのネット通信の設備投資を拡張する計画を発表
◆ クラフトハインツ 33.23ドル(+2.56%)
モルガン・スタンレーが投資判断を最下位の「売り」から真ん中の「中立」に引き上げ
下落銘柄
◆ ユナイテッドヘルス  236.02ドル(▲4.12%)
国民皆健康保険制度の法案や薬価引き下げの圧力を懸念する売りの継続
◆ マクドナルド 180.59ドル(▲2.41%)
◆ テスラ 285.36ドル(▲3.20%)
3/7投稿の記事にあるようなネガティブなニュースに押され
詳しくはリンクをクリックしてください
テスラが抱える課題とマスク氏の問題について 
◆ セールスフォース 158.50ドル(▲3.67%)
マーケット終了後に決算発表、決算を嫌気して時間外でも▲2.68%と下落


<直近の経済指標から>
3月1日発表の経済統計から
2018年12月の個人消費支出 ▲0.5%(前月比)
2019年 1月の個人所得    ▲0.1%(前月比)
以上のように指標結果は悪く、ほぼゼロ成長になりました。


また、2月のISM製造業景気指数は54.2(▲2.4)市場予想を下回りました


アトランタ連銀の速報GDPナウについても1-3月期は年率換算で+0.3%(前期比)


さらに、2月の新車販売台数も年換算で1657万台と二か月連続で1700万台割れになりました。
ちなみに、中国の2018年の新車販売台数も2808万台と28年ぶりの前年割れとなっています。(2017年比▲2.8%) ※米国は中国よりも新車の販売台数で1000万台の差があります


発表された統計数字はいづれも市場予想に届きませんでしたが、労働環境は堅調で失業率も4.0%→3.8%と改善しました。


また、4日の商務省発表の12月の建設支出は-0.6%(前月比)と市場予想の+0.2%に届きませんでした。


以上のように、弱い経済指標が相次いで発表されており、4日の株式市場は米中協議の材料出尽くしの後の弱い経済指標に押されて下落したことがわかります。


今後のマーケットの一番の注意点となるでしょう。


では、本題に入ります。
「重要なのは経済だよ、愚か者め !!」
これは米金融サービス会社ミラー・タバックのマシュー・マリー氏が、1992年の大統領選で、クリントン陣営が「有権者が一番重要視するのは経済」と主張して、現職だったブッシュ(父)大統領を破った時に使われたフレーズを捩ったものです。


つまり、今後の市場の注目は米経済にあり、もはや貿易交渉への期待だけでは市場を押し上げる材料にはならないということであります。


実際にダウ平均が下げ幅を拡大したきっかけは4日に米商務省が発表した2018年12月の建設支出額(季節調整済み、年率換算)は約1兆2927億ドル(約144兆円)となり、前月の改定値から0.6%減りました。
これは3カ月ぶりの減少で、0.1%程度の増加を見込んだダウ・ジョーンズまとめの市場予測に反して低下しました。


新築住宅の建設の落ち込みなどが響いて18年通年でも11年以来の低水準となり、米経済の減速が意識されました。


3月1日、4日のこれらの経済指標を受けて株価は下落を拡大しました。


3月という月を経験則から予想してみました。
マーケットの明日は誰にもわからないとは言いますが、「過去」「現在」「未来」という時間軸の中での繋がりはあるものだと思います。
また、予想することはとても楽しいことでもあります。(結果を見るまでは)
3月は日本では企業決算の月になりますが、米国では多くの企業が12月に決算を迎えますが、その他にも3月や6月に決算をおこなう企業もあります。


そこで、
S&P500種指数の3月における月間変動率を過去10年に遡ってみてみました。

一か月間で月初よりも下落して終わった月は10回のうちの4回でした。


6勝4敗の結果で、これを見てみると平均をやや上回っておりますが、私の運用履歴でみてみると5勝5敗でイーブン。年間では6月、8月についで勝率の低い月となっています。


私の投資記録の中の15年間をみても一番勝率が低いのが6月です。
正確に調べてはいませんが、S&P500種指数についても多分同じ結果が出ると思います。


ちなみに上の表ににあるように直近二年間は3月は続けて下落で終えています。
つまり、過去のデータから見ると3月は積極的な投資には注意が必要であるといえます。


さらに今年は、1月、2月と好調だっただけに利益確定にさらされやすく、よほどの好材料でも出なければこの後の上昇を期待するのは難しいような気がします。


まあ、私の勝手な推測ですからあまりあてにはしないでください。
でも、気になるデータがあればピックアップしておいていただければ結構ですよ。


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