アノマリーから見た今後のマーケットのゆくえ

こんにちは!
25日のマーケットは続伸しました。


トランプ米大統領が中国製品への関税引き上げ延期を表明したことを好感した買いが優勢となり株価を押し上げました。


25日の市況と保有株動向です。

個別銘柄で目立った動きのあったものは、ゼネラル・エレクトリック(GE)がバイオ製薬事業を産業・医療機器大手ダナハーに約214億ドルで売却すると発表したことで、電力事業の不振などにより悪化した財務が改善するとの期待から買われました。


ダナハー株もバイオ事業の収益拡大につなげられるとの見方から急上昇しました。


しかし、相場は年明けからほぼ一本調子で上昇が続き、短期的な相場の過熱感も意識され始めました。


米国株式市場は前週までの9週間で16%の上昇を達成しましたが、25日は引けにかけて上げ幅を縮小しました。


アノマリーから見た今後の株価の上昇余地は
S&P500指数のチャートです

株価は200日移動平均を大きく超えて、2018年11月7日の高値2815.15迄あと0.7%まで迫っており、これを超えると9月21日の最高値 2940.91を試す展開となります


しかし、仮に米中通商協議が期待通りに進展して追加関税が回避されるとしても、上値の目途としては、19年12月期予想EPSの169.53(Factset社の集計ベース)に、経済見通しが楽観的なときの予想PER17倍をかけて2,882ポイントが上限というのが妥当な見方ですが、相場は往々にして“行き過ぎる”ことを考えると昨年高値近辺まで到達する可能性もあるかもしれません。


ただ、経済の減速、企業業績の下方修正が続いている中では、この水準を維持するのは難しいと見られます。安定感があるのは、予想PER16.0倍2,700ポイント前後と考えられますが、現段階ですでに達成してしまっていますね。(笑)


25日現在のS&P500指数は昨年末比111.5%となっていますが、過去の指数の伸び率を1999年からの20年間のS&P500指数のデータからみてみると

オレンジの網掛け部分が年20%以上上昇した年になります。
説明を加えると、2003年はITバブル崩壊の翌年で前年に大きく下落した反動で伸びていることが分かります。


同様に2009年は2008年のリーマンショックの翌年です。


2013年の大幅上昇は、昨日のブログを見ていただくとわかりますが、イエレンFRB議長によるQE3(第3弾の金融緩和)によるものです。



それ以外の下落年を除いた年は概ね110%~115%というのが過去のアノマリーになります。


そういう意味で言えば現在の株価は昨年が93.8%と下落した反動を踏まえても、今後の上昇余地は現在の指数に対し" 3%程度(2880ポイント)"ではないかというのが"私の推測"です。


つぎに、現在の株価を米中貿易協議以外の面で下支えしていると思われる要因を挙げてみます。
◆ 自社株買いによる株価の下支え
バフェット氏も今年の手紙で言っているように、バークシャー・ハザウェイには約12兆円に膨らんだ手元資金があり、その一部を自社株買いによって株主に返す方針を表明しています。その他にも米国企業は潤沢な内部留保資金を蓄えており、株価が下がった場合には自社株買いによる株価上昇期待がある。


◆空売りによる買戻しがみられる
米連邦準備理事会(FRB)が利上げ様子見姿勢に転じたことで、市場のリスク回避ムードは後退し、また米中協議の進展もあって空売り勢の買い戻しがおきているようです。
米ウォール街のベテラントレーダーは「上昇の5割は需給でほぼ説明できる」といっています。
その理由は、空売り残高の大きい51銘柄を集めて構成する「トムソン・ロイター米空売り上位指数」の年初来上昇率は20%超に達しており、ダウ平均(約12%)を上回っています。
これによって、空売りの買い戻しが相場をけん引しているということがわかります。


今後の株価の下落圧力につながると思われる要因を挙げてみます。
◆ 債券利回りの低下
景気減速懸念で欧州の国債利回りには低下圧力がかかってきており、株式市場には危険なメッセージとなりつつあります

◆ 米国の今年前半の経済成長の大幅な鈍化
米国の1~3月期、4~6月期の経済成長率はせいぜい2%程度とみられ、製造業の景況感も弱含んでおり「マーケットがなぜこんなに強いのか理解できない」とアナリストの声も多数聞かれます。


◆ ファンドからの資金流出
バンクオブアメリカ・メリルリンチによると、先進国株に投資するファンドからは、年初から2月20日までに総額687億ドルのマネーが純流出しており、米国株は特に不人気で12週連続の純流出となっています。


最後に
トランプ大統領による対中国の関税引き上げ延期発表で「当面の好材料はほぼ出尽くした」との指摘も出始めてきています。


やはり脆弱性を抱えたままの株高という認識は必要だと思います。


経済指標の今後の発表予定
2/26(火)12月の住宅着工・建設許可件数(着工件数は前月比0.4%減、建設許可件数は同2.6%減の予想)
コンファレンスボード消費者信頼感(124.0へ1月の120.2から改善の予想)


2/28(木)中国の2月製造業・非製造業PMI(製造業は49.5で1月と変わらず、非製造業は54.5へ1月の54.7から低下の予想)
米国の10-12月期実質GDP(前期比年率2.4%増の予想)


3/1(金)2月ISM製造業景気指数(55.6へ1月の56.6から低下の予想)


などの発表が予定されています。


今回は、上昇し続けるマーケットに関する私の危機感をお話ししましたが、
予想にについては、私自身の勝手な推測に基づいています。


また、下落の幅は分かりません。
昨日の記事に載せた「ビル・ロジャース」リーマンショックを上回り下落幅になるかもしれませんが、これは「天のみぞ知る」ということでしょう。


最後はご自身責任でご判断ください。


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