今後のマーケット動向をS&P500指数から推測してみました

こんばんわ!


4日の米株式市場ではダウ2カ月ぶり高値で終わりました。

ダウ平均の年初からの上昇率は8.2%、ナスダックは10.7%、S&P500 8.7%と大きく上昇しました。


この日の企業決算では、米インターネット検索大手グーグルの親会社アルファベットの18年12月期第4四半期(10-12月)決算が発表されました。


市場予想を上回り、収益も予想を上回った決算でしたが、傘下のWaymoなど「Other Bets」部門の損失が拡大している懸念を受けて時間外取引で売りが先行しました。


◆アルファベット(GOOGL)の四半期決算
2018年10-12月期決算(前年比)
・売
上高 392億8000万ドル (+22.0%)(市場予想を上回る) 市場予想 389億ドル
・純利益 89億5000万ドル (黒字転換) 昨年は税負担で 30憶2000万ドルの赤字
・1株利益  12.77ドル (予想を上回る) ※希薄化後 
市場予想 10.86ドル


決算内容は、グーグルの広告収入が同20%増の326億3500万ドルと、第3四半期(7-9月)と同じ伸びとなりましたが、市場では頭打ち感が意識されました。


また、営業利益率は21%(同23%)に低下しました。


費用面では、トラフィック(通信量)獲得コスト(TAC)が前年同期比 15%増(前四半期比13%増)の 74億ドルと市場予想の 76億ドルを下回ったものの、CPC(広告主が広告1クリックに対しグーグルに支払う広告費用)が同 29%減(同 9%減)と大きく減少したことで、市場ではグーグルの広告力が弱まったとの見方もでました。


同社の株価は時間外取引で一時4日終値比 3.37%安の 1102.92ドルと急落しました。


<時間外でギリアドサイエンスが下落>
バイオ製薬大手のギリアド・サイエンシズが、4日夕に発表した2018年10~12月期決算で売上高は前年同期比3%減の57億9500万ドル、最終損益は300万ドルの黒字(前年同期は38億6500万ドルの赤字)、特別項目を除く1株利益は1.44ドルと前年同期(1.78ドル)から減り、市場予想(1.70ドル)を下回りました。
C型肝炎治療薬を含む部門が大幅な減収となっ上に、新型のがん免疫治療薬「イエスカルタ」の販売も一部の市場予想を下回りました。
あわせて公表した19年12月期通期の売上高見通しも市場予想に届かず、失望売りを促したことで時間外で3.98%下げました。


<経済市況から>
〇 11月の製造業指数(前月比)は予想に反して-0.6%(市場予想+0.2%)と二か月連続してマイナスと悪かったです。
機械が-1.7%、電子機器関連が-1.1%でした。


〇 2018年の半導体の世界販売は過去最高(前年比)でした。
売上 4688億ドル(+13.7%)
12月の売上高(前月比)
米国-12.4%、ヨーロッパ-4.9%、中国-8.1%
12月の数値は悪かったですが、今後については、人工知能や仮想現実などの普及で、堅調な成長は見込まれるそうです。


<今後の市場での懸念材料>
今月は3つの懸念材料があるようです。


① 2/5のトランプ大統領による一般教書演説。
一般教書演説では、トランプ大統領が国境の壁建設に関して「国家非常事態宣言」の可能性を仄めかしている点が怖いですね。
万一、国家非常事態を宣言すると、議会が他の目的のために承認した財源の利用が可能になるそうです。
そうなると、強引に壁建設を推し進めることになるのでしょうか。


当然そうなれば、議会との対立激化は免れず、マーケットへの影響は大きなものになるのでしょうね。


② 米中通商協議の行方
米中通商協議については、2月中にライトハイザー通商代表、ムニューシン財務長官が訪中して閣僚級の協議が継続することが決まりました。
これらによって、関税率引き上げ回避への期待は高くなると思われます。


③ 今月発表の経済指標
ISM非製造業景況指数を含めて、政府閉鎖の影響で発表が延期されているいくつかの経済指標、例えば、実質GDP(10-12月期)、小売売上高(12月)、住宅着工・建設許可件数(12月)、新築住宅販売件数(12月)、耐久財受注(12月)などの結果によってもマーケットの動きは左右されます。




地政学リスクは、現段階では読み取れないので、それらを除いて単純に現在までのS&P500指数の動きから、今後のマーケットの行方を推測してみました。


現在のS&P指数のチャートです。

指数の動きだけを見れば、今後さらに上昇が期待できそうな感じがします。


その理由を何点か挙げてみます。
① S&P500指数は現在2724.87ポイントにありますが、中期移動平均線(100日)を上回り、長期移動平均線(200日)を上抜けようとしています。
このまま、今週も株価が上昇するようなら長期トレンドに入る可能性があります。


② テクニカル面でみた場合は、9月21日の高値2940.91と12月26日の安値2346.58の間で上値戻りのフィボナッチ比率61.8%の2713.88を抜けるとサポートラインを抜けたことで上値方向へトレンドが転換するかもしれません。

(下図) 

注) フィボナッチ比率とは世界的に有名なフィボナッチ数列から計算され、上昇トレンド中の「押し目」と、下降トレンド中の「戻し」を予測するために使われる指数で、多くの投資家が注目しているテクニカルツールです。
主に、「23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%」の比率がサポート/レジスタンスになっています。
ここで、フィボナッチを知らない方のために、具体的なチャートをお見せします。

上のグラフでA B C D がトレンドの転換点になっています。つまり転換点を超えると次のフィボナッチポイントまで上昇するということです。


フィボナッチについて詳しく知りたいときはこちらを・・・・
相場の反転を見抜くフィボナッチの見方と使い方 | 投資の教科書


③ 需給面で2700~2750は最も出来高が多いゾーンであり、このゾーンを下抜けると一気に売りが加速するそうですが、維持できれば上昇が期待できるといわれます。


④ S&P500指数の19年12月期の予想EPSは2/1(金)時点で170.37ポイントで、昨年10月から始まった下方修正のモメンタムが弱まりつつあります。
現在のS&P500指数の予想PERは15.9倍と、決して割高とはいえないニュートラルなところだと思います。


これからみると、現在の2724.87ポイントはEPS×PERの2708.88を少し上回ったところにあって決して割高とはいえないと思います。(下のグラフを参照)


      

※ 2017年~2018年にかけてはほとんど17倍を超えておりナスダックに関しては20倍以上となってます。


今後の動きには、米中通商協議で関税引き上げが回避、中国経済の減速が底入れする兆しが表面化、今後現れてくると見られる米国の消費減速が急激なものでないことなどを前提をにして指数面だけで推測しました。


私の勝手な推測ですので、参考程度にしていただいて判断はご自身でお願いします。


それでは。

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