市場循環と相場天井の見極めに関して

お疲れ様です!
昨日18日の米株式相場は4日続伸し、ダウ工業株30種平均は前日比336ドル25セント(1.4%)高の2万4706ドル35セントと約1カ月半ぶりの高値で終えました。
昨日の市況です。

株価を押し上げた要因は、中国政府が米国からの輸入を大幅に増やして2024年までに対米貿易黒字をゼロにする提案していたと報じたこと、さらに1月30~31日には劉鶴副首相が訪米し、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らとの貿易協議に臨む予定であるということ。それによって、米中貿易摩擦の緩和に向け、協議が進むとの期待が高まりました。
また、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が講演で「環境が変われば、バランスシートの正常化を含む金融政策についても見直す」などと述べたことで、米景気次第で米連邦準備理事会(FRB)が柔軟に政策を進めるとの見方が改めて意識され、買い安心感につながりました。


ネガティブなニュースとしては、契約者数が減少したとの発表のあったネットフリックスは時間外取引で下落した株価を取り戻すことができず-14.09ドル安の339.10ドルでひけました。
電気自動車のテスラが従業員の7%を削減すると発表しました。主力の電気自動車(EV)「モデル3」の低価格化のためにコスト構造の抜本的な見直しが必要なためとしています。テスラの従業員数は子会社などを含め世界で4万5000人前後とみられ、人員削減は3000人規模になる可能性があり、人員削減を発表した電気自動車(EV)のテスラは-45.05ドル安と12.97%の下落になりました。

    

なお、米調査会社リフィニティブによると主要500社で18日までに四半期決算を発表したのは1割弱の44社で、このうち77%で1株利益が市場予想を上回りました。



ここまでのところ、米国企業の決算は好調ですね。


マーケットは、21日がキング牧師の誕生日の祝日で休場となっており、最近の相場の急激な戻りを受けて、3連休前に投資家が買いを急いだとの指摘もでています。


今日は、「相場の転換点」についてと「相場の天井の見極めと対処」について取り上げました。
一緒に考えてみましょう。

今の市場環境とこれから向かう市場環境

株式投資をする上で、投資家の運用方針においていろんなスタイルがあります。
長期投資と短期投資。グロース株中心のキャピタルゲイン狙いやバリュー株での配当重視運用など、投資する人の性格・年齢・資産状況などによって多種多様です。


相場には流れがあり好景気と不況をランダムなサイクルで循環しながら動いています。
下の市場循環図はそんな循環ローテーションを表したものですが、現在は好景気で金利が低いブルーのゾーンにあります。
好景気の低金利が長期間継続している状態が続いているので、ハイテク銘柄が相場のリード役なっているのはみなさんが知っての通りです。


本来であれば好景気の時は、利上げによって金利が上昇して消費循環銘柄や工業株、素材株のイエローゾーンへ移行していくところなのですが、このまま景気減速に陥れば、下側のイエローゾーンへ行ってしまうかもしれません。
下側のイエローゾーンは消費安定株、ヘルスケア、通信、公共株などです。

        

ここで、各グループの代表銘柄をあげてみます。

  • 消費循環株 = コムキャストマクドナルドウォルト・ディズニーアマゾンホーム・デポ、など。
  • 消費安定株コカコーラプロクター&ギャンブルフィリップ・モリスウォルマートクラフト・フーズアルトリア、など
  • ヘルスケア株ジョンソン&ジョンソンファイザーメルクアボット・ラボアムジェン、など
  • 工業株ゼネラル・エレクトリックUPSユナイテッド・テクノロジーズ3M、など
  • 素材株モンサントデュポンダウケミカルフリーポート・マクモランプラクセア、など。
  • 公共株デューク・エナジーサザンエクセルオンドミニオン、など
  • テクノロジー株アップルIBMマイクロソフトAT&Tグーグルベライゾンオラクルインテル、など。

長期金利は米中貿易交渉に関する前向きな報道をきっかけに、指標となる表面利率3.125%の10年物国債が売られ利回りは2.78%と上昇したが、2年物国債は2.61%ということで金利差は1.5ポイントほどのフラットイールドカーブが続いていますという。


今後もいろんな地政学リスクによって債券へのシフトは変化するため、景気がいいからリスクオンで債券が売られるというといった、従来のシナリオは通用しなくなっていますね。


<近年は、市場循環サイクルのシナリオに変化が出てきています。>


これは私の個人的な感想です。一緒に考えてみてください。


◆ 私に投資の考え方を教えてくれた先生たちです。

      

なかでも、特に好んで読んでいるのが「オニールの成長株発掘法【第4版】」です。といって、私はグロース株投資家ではありません。
「チキンハートのジジイ」ですから、もうそんな度胸はありません。でもこの本はわかりやすくて実践的なんですよ。


次に、現在のような状況。つまり長期にわたる好景気の終局局面で、かつ、地政学的リスクや経済指標の変化が著しくなってきたような状況下ではマーケットがどこで天井を打つのか知ることができる方法があればと、誰もが思いませんか。


オニールの「第9章M-株式市場の方向」に参考になる一章があったのでご紹介します。

マーケットの天井を見極める方法

マーケットの天井を見極めるには、S&P500やNYSE総合株価指数、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合指数などの指数が上昇していくのを毎日注意深く観察することから始まる。


すると上昇トレンドをしていたある日突然、マーケット全体の出来高が前日よりも増加したのに株価指数は失速して動かない(前日の上昇に比べて勢いが衰えた)という現象が起きる。私はこれを、「株価の上昇を伴わない出来高の増加」と読んでいる。

その日の平均株価が下げて引ける必要はないが、ほとんどの場合は下げて引ける。機関投資家による株式の大量売値つまり「売り抜け」の状態を明確に示すものである。

株価平均のその日の高値安値の価格差が、場合によっては前日よりも少し大きくなることもある。天井を打つ直前での大量売りは、通常なら4~5週間に3~5日起こる。つまり売り抜けは、市場がまだまだ上昇中に起こるのだ !

これこそが、売り抜けを見極められる投資家が極端に少ない理由の一つである。4週間~5週間で明確な売り抜けが4~5日あると、その後の市場全体はほぼ下落を始める。2~3週間というやや短い期間でも、明確な売り抜けが4日あれば、それまで上昇してきた市場を下落させるだけの力を十分に蓄えた可能性がある。

場合によっては市場が新高値を試して戻し、売り抜けがやや長めの六週間以上に長引くこともある。S&P500やNYSE総合指数、ナスダック、ダウなどが見せる天井のサインを寝ていたり気が付かなくて見逃してしまっていたら(ほんの数日の間におこることもあるので、見逃してしまう可能性は高い)、マーケットの方向を見誤ったままになってしまう。

そのような状態で投資判断をしてもすべて間違ったものになるだろう。


また、上昇はまだ続くと信じ込んでいる投資家の個人的な意見や見解を覆すのに時間がかかるということも、大きな問題点である。買いポイントから7~8%下落したら常に損切して喪失を最小限に抑えるということをしていれば、マーケット全体が調整を始めた時に、少なくとも1から2銘柄は強制的に売られることになるだろう。

そうなれば、株価の更なる上昇に対して疑いを持った防御的な心構えが早い時期に作られるはずだ。我々が考案したこの単純で強力なルールに従った多くの投資家が、2000年にハイテク主導株が壊滅的な下落をしたときや、2008年にサブプライムローン問題が引き起こした弱気相場で命拾いをしているのだ。

売り抜けが繰り返しあったかどうかは、一つの指数で確認できれば十分である。4~5日の売り抜けを複数の主要な指数で確認する必要はない。


また、ある指数で前日の出来高より増加したのに株価は下げて引けたことが示されたら、その下落率が0.2%以上であれば「売り抜け日」として数えてよいとする。


また、市場の大きな変化を示す指標として平均株価の次に重要なものは何かといえば、主導株の動向である。上げ相場が何年か続いた後にマーケットをけん引していた個別銘柄の大多数が異常な動きを見て始めたら、市場が転換点を迎えていると確信してよいだろう。

         — ウイリアム・J・オニール —

以上ですが、要するにチャートの動きを丁寧に見なさいということだと言っています。
市場の動きを見逃さずに常に市場と向き合うようにすれば、そこに答えがある。
そんな解釈でいいと思います。


年明け後ここまでは好調ですが、「嵐の前の静けさ」の感がしてなりません。


それでは、みなさまよい投資を !

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