昨年末の日本の家計金融資産が10年ぶりに前年割れとなりました。

こんにちは!
昨日のダウ工業株30種平均は -26.72ドルの25887.38ドル、ナスダック総合指数は+9.47の7723.95ポイント、S&P500種指数は-0.27の2832.57ポイントと20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が明らかになるのを前に小幅な値動きとなりました。


また、「中国が米国の要求に抵抗していると懸念している」という報道が流れたことで、交渉が進んでいるとの期待で支えられていた相場への不透明感が出てきてことも先行きの不透明感につながったようでした。

  

昨日のマーケット結果です。

昨日のマーケットで気になるニュースです。


1. 19日公表のバンクオブアメリカ・メリルリンチによる定例の機関投資家調査の結果。3月8~14日実施分では、株式の保有残高が当初設けた配分を上回る「オーバーウエート」の比率が2016年9月以来の水準に下がっていた。


2. 米調査会社トリムタブスの報告から
個人投資家の年初から今月12日までに上場投資信託(ETF)と投信をあわせた株式ファンドからは総額102億ドルが流出を確認。


以上の点から、株価上昇の要因は「主導していたのは投資家ではなく、企業の自社株買いだった」とシティグループでは推測している。
現在の状態は、株価は上昇を続けているが投資家の株式保有率は低下し、逆に現金が積みあがっているようです。


20日のFOMCの結果、米中の貿易交渉の合意、これらの前提が崩れると積み上がってきた資金がなかなか株式に戻らないかもしれません。


個別株の動きについて
〇 エヌビデアの株価上昇
自動運転分野でのトヨタ自動車との提携拡大や、ソフトバンクグループと韓国の携帯電話事業者と組んで日韓でのクラウドゲーム向けのサーバーの展開方針を発表。
〇 フォード・モーターが続伸
利幅の大きい多目的スポーツ車(SUV)を米国で増産すると発表。


◆ 日本の金融資産が減少


日本人金融商品別保有率は「預貯金」が92.8%と圧倒的に高く、投資をしている人数は1,266万人と2018年末の日本の人口1億2675万人の約一割で、20歳以上の男女個人を対象にしても株式が12.6%、投資信託が9.2%という結果が出ています。(2018年12月18日 日本証券業協会による全国調査の結果から)

    

日銀が3月19日に発表した資金循環統計(速報)によると、2018年末時点の家計の金融資産残高は17年末比1.3%減の1830兆円になったそうです。


リーマン・ショックがあった08年末以来、10年ぶりに前年末の水準を割り込み、四半期ベースでみても、前年を下回ったのは10四半期ぶりとなったそうです。


昨年10月以降に世界経済の先行きの不透明感の影響で年末にかけて世界的に株価が大きく下落し、株式や投資信託の評価額を押し下げたのがその理由です。


資産別にみてみると、株式の残高は175兆円で、前年末比15.3%減と09年6月末以来の大きな下げ幅となりました。投信についても12.4%減とこちらも大きく減少しました。


2018年の年間下落率を前年末との比較でみてみると、
ニューヨークダウ -5.6% ナスダック -3.9% S&P500種 -6.2%
中国上海総合 -24.6% 香港ハンセン指数 -13.6%
日経平均 -12.1%


以上のように、日本は米国と比較しても、中国についで下落幅が大きかったです。


株価下落の影響を除いた株式や投信の購入額も低迷した一方で、現金・預金の残高は過去最高(92.8%)を更新し、「貯蓄から投資へ」という資金の流れは足踏み状態が続いています。


◆ 日本の「官製春闘」は転機を迎えています
また、賃金についても、日本の賃金は世界で大きく取り残されています。
過去20年間の時給をみると日本は9%減り、主要国で唯一のマイナスになっています。


その理由は、国際競争力の維持を理由に賃金を抑え続けてきたために欧米に後れを取ってしまったためです。


旧来の日本企業が守り続けてきた、終身雇用と年功序列で、昇進や昇格に極端な違いを出さないという日本的な人事・賃金制度は、今や米国の情報技術企業などのライバル企業との競争環境は激変して、人工知能(AI)といった先端分野は人材の争奪戦といった危機感が大手企業の中には出てきました。


デフレ不況と円高、過剰な設備と人――。1990年代後半から、製造業などは賃下げを含めた賃金抑制に動き、気がつけば日本の賃金は世界から大きく取り残されてしまいました。


働き手一人の時間あたりの金額を各国別にはじきだすと、下の表のように、国際比較が可能な17年と97年と比べて20年間では日本は9%下落して主要国で唯一のマイナスとなりました。

   

英国は87%、米国は76%、フランスは66%、ドイツは55%も増えました。
韓国は2.5倍と圧倒的に高く、日本の平均年収は米国を3割も下回っています。


日本は金融危機に直面した97年をピークに減り始め、2012年までに12%減少。
大企業は定期昇給などで1%台の賃上げを続けたが、非正規社員も増えたため1人あたりの平均時給は減ってしまいました。


賃金が伸び悩んだ理由のひとつは日本企業の生産性の低さで、働く人が生みだす付加価値額を示す労働生産性は就業者1人あたりで米国の7割というレベルでしかありません。


もうひとつは雇用維持のコストが大きいことで、長期雇用を守るため、経営者は将来の人件費負担を考えて退職金や社会保険料負担の増加につながるベアに慎重になりました。
また、労働組合も雇用維持を優先するあまり賃上げ要求は控えめに抑えるという労使協調が賃金を抑え込んできました。


賃金引き上げのために、安部政権による企業へのベア要求によって3%の数値目標を掲げる「官製春闘」もおこないましたが、企業を取り巻く環境が既にベアになじまない状況の中で、目標がだけが独り歩きしていた面もありました。


今年10月からの消費税増税を控え、政府が賃上げを経済界に呼びかける「官製春闘」も転機を迎えています。
もともとは、賃金をどのように決めるかは企業経営者から働き手へのメッセージであり、従業員のモチベーションに影響し、企業の競争力を左右するため、政府の干渉を排除するのは当然のことであります。
上場企業の手元資金は現在、100兆円を超え過去最高となっており、業績が好調な企業については積極的に賃上げについて考える必要があります。


企業経営者においても、デジタル化やグローバル化などの構造変化が進むなかで企業が成長するための処遇制度改革として成果や職務に応じた報酬の算定が世界では当たり前になっているが、日本企業はこうしたメリハリの利いた賃金制度はまだまだ希薄です。


少子高齢化が進むなか、高度外国人材や経験豊かな高齢者を戦力にするためにも、結果で評価する報酬制度を更に充実させ、企業が付加価値を高め、賃金の原資も増やしていく循環をつくらねばならない状況が早急に求められており、働く側もそれに合わせたスキルを高める努力をしなければ、日本企業の競争力は低下し、所得格差はますます広がってしまいます。


以上のように、既に日本では会社に勤め、周りの人たちと同じように協調性を重んじていれば生涯の生活を保障される仕組みは過去のものになってきています。


ますます、いろんな部分でリスクが高まり、自己責任意識が重要になっています。


自己責任は投資の世界だけではなくなってきています。


<米国株投資のバイブル>

株式投資の未来— ジェレミー・シーゲル―


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